ESXi NICチーミングのLACP IPハッシュに基いたルートを利用するメリット、デメリット

ESXi7でネットワークの冗長性を構成する場合は、NICチーミングの設定を行う事になりますが、その際、設定方法がいくつかありますが、その中で、LACP IPハッシュに基いたルートを利用するメリット、デメリットについての情報になります。

 

情報元はこちら。

 

IP ハッシュのロードバランシングポリシーについて (2006129)

https://kb.vmware.com/s/article/2006129?lang=ja

 

まずは、IP ハッシュに基いたルートの説明の抜粋です。

 

IP ハッシュに基いたルートのロードバランシングでは、チーム内のどのアップリンクを使用するかを決めるため、パケット毎に送信元と送信先の IP アドレスを取り、それをもとに数学的計算を実行します。ロードバランシングが送信元・送信先の IP アドレスをベースに行われるため、1つの仮想マシンであっても複数の IP アドレスと通信している場合は、チーム内のすべてのネットワークアダプタに負荷が分散され、帯域幅を効率よく使用できます。

IP ハッシュに基いたルートのロードバランシングを使用する場合、対向のスイッチのポートは EtherChannel ("アグリゲーションボンド"、"ポートチャネル"、"トランク"と呼ばれることもあります)でまとめておく必要があります。これは逆方向の返信トラフィックにおいても同一のハッシングアルゴリズムを使用する必要があるためです。

 

NICのパフォーマンスを最大限に発揮したい場合、この設定が有効です。説明にもありますが、1つの仮想マシンであっても複数の IP アドレスと通信している場合は、チーム内のすべてのネットワークアダプタに負荷が分散され、帯域幅を効率よく使用できることがメリットですね。

 

 

続いてメリット、デメリットの抜粋です。

 

メリット:

1つの仮想マシンが複数のあて先と通信する際にもパフォーマンスが向上します。論理的には、1つの仮想マシンが1つの物理 NIC 以上の帯域幅を使用することが可能です。
ネットワークアダプタの冗長性を確保できます。一部の NIC で障害が発生しても、チーミングされている残りの NICトラフィックを通し続けます。リンク状態が正しく機能するため、 物理スイッチと ESXi ホストの両方はリンクをダウンとして認識する必要があります。差異がある場合は、 チーム内でその他のアダプタへのトラフィックはフェイル オーバーしない可能性があります。

 

デメリット:

物理スイッチの構成が限定されます。対向の物理スイッチのポートでスタティック EtherChannel を構成する必要があります。詳細は、Sample configuration of EtherChannel / Link Aggregation Control Protocol (LACP) with ESXi/ESX and Cisco/HP switches (1004048) を参照してください。
ほとんどのスイッチが複数の筐体にまたがる EtherChannel 構成をサポートしていないため、チームのすべての NIC は同一の物理スイッチにしか接続できません。これにより、物理ハードウェアの冗長性が回避されます。

 

ちなみに、構成する場合の注意点ですが、スイッチ側でLACPの設定が必要になります。

 

●フェールオーバの検知手段として「ビーコンの検知」はサポートされていないため、「リンク状態」のみ使用可能です。そのためリンク状態はダウンしていないもののリンクに問題があった場合、仮想スイッチ上のネットワーク通信の問題を回避することはできません。
●標準仮想スイッチでは、スタティックモードの Ether Channel のみがサポートされています。 LACP は、vSphere 5.1 の仮想分散スイッチ、または Cisco Nexus 1000V でのみサポートされています。

 

また、vCenterがStandardエディションの場合は、分散スイッチが使えず、標準スイッチのみが利用可能なため、スタティックモードの Ether Channel のみがサポートされています。

 

その他、リンクダウンを伴わない障害を正しく検知するという情報も見たことがありますが、サービス用のネットワークでは、LAGを構成するパターンをよく見ます。