WSUSで更新プログラム検出できない、ダウンロードできない場合にクライアントの情報をクリアにする方法

WSUSを運用している環境で、「更新プログラムの検出処理ができない」「更新プログラムのダウンロード処理ができない」「更新プログラムが期待通りにインストール出来ない」場合に対処する方法が公開されているので、紹介します。

 

おそらく企業の多くがPCのパッチ配信は、PCが直接インターネット接続して更新プログラムを適用するのではなく、WSUSによる配信をしているのではないでしょうか。

 

WSUSを運用していて、トラブルが発生した場合に参考になる情報がこちら。

Windows Update クライアントの情報をクリアにする手順 | Microsoft Docs 

 

とりあえずうまく動かない状況に直面したらまずはこれをやってみようというものだそうです。原因の切り分けとかが目的ではないので、更新プログラムの処理がうまくいかない場合にすぐに対処したいときに便利な情報です。

 

まず注意事項です。大きな問題はなさそうですが念のために確認しておいたほうがいいです。

 

・[更新履歴の表示] の情報がクリアされます。(作業履歴の情報ですので 現時点の適用状態や今後の適用動作には全く影響ありません)
・過去クライアント側の操作によって「非表示」設定(処理対象から除外)していた更新プログラムが存在する場合は、その設定が解除されます。
・次回 WSUS にアクセスした際にキャッシュされていた情報を再ダウンロードします。 そのため、同時に多数の端末が実施した場合にはネットワークの負荷が発生する場合があります。

 

 

SoftwareDistribution フォルダーのリセットと BITS ジョブのクリアは、以下ステップを順に実施します。

 

a) 自動更新サービスと BITS サービスの停止
b) SoftwareDistribution フォルダーのリネーム
c) BITS のジョブを削除
d) 自動更新サービスと BITS サービスの開始
e) 更新プログラム検出の確認

 

各手順の抜粋です。

 

a) 自動更新サービスと BITS サービスの停止
コマンド プロンプトから以下のコマンドを実行します。
または、サービス マネージャから [自動更新] または [Automatic Updates] または [Windows Update] サービスと [Background Intelligent Transfer Services] サービスを停止します。

Windows 10 の場合: 先に「net stop usosvc」で [Update Orchestrator] サービスを、「net stop dosvc」で [Delivery Optimization] サービスを停止してください。
Windows Server 2016 の場合: 先に「net stop usosvc」で [Update Orchestrator] サービスを停止してください。
------------------
(net stop usosvc)
(net stop dosvc)
net stop wuauserv
net stop bits
------------------

b) SoftwareDistribution フォルダーのリネーム
SoftwareDistribution フォルダーは、Windows Update に使用されます。例えば Software Distribution フォルダー配下の Download フォルダーにはダウンロードされた更新プログラムが一時的に保管されます。SoftwareDistribution フォルダーをリネームすることで、これまでダウンロードされた更新プログラムやデータベースの情報がクリアされます。
コマンド プロンプトより、以下のコマンドを実行して、更新プログラムが保存されている SoftwareDistribution フォルダーをリネームします。
-----------------
ren %systemroot%\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
-----------------

 

c) BITS のジョブを削除
Windows Update は BITS という Windows の機能を利用して、アイドル中のネットワーク回線の帯域幅を使用して、バックグラウンドで更新プログラムをダウンロードします。
ダウンロードに失敗した更新プログラムが BITS キューに滞留している場合、以下のコマンドを順番に実行してキューから削除することで、新しくダウンロード ジョブが作成され、ダウンロードに成功する可能性があります。
-----------------
del %ALLUSERSPROFILE%\Microsoft\Network\Downloader\qmgr0.dat
del %ALLUSERSPROFILE%\Microsoft\Network\Downloader\qmgr1.dat
-----------------

更新プログラムがダウンロード中の場合、ダウンロードを中止するために実施します。
この作業はダウンロード中ではない場合でも実施することを推奨いたします。

Windows 10 バージョン 1703 以降では qmgr0.dat, qmgr1.dat ファイルが存在しないため下記のコマンドにて削除を実施します。
-----------------
del /Q %ALLUSERSPROFILE%\Microsoft\Network\Downloader\*
-----------------

 

d) 自動更新サービスとBITS サービスの開始
コマンド プロンプトから以下のコマンドを実行します。
または、サービス マネージャから [自動更新] または [Automatic Updates] または [Windows Update] サービスと [Background Intelligent Transfer Services] サービスを開始します。

Windows 10 の場合: 最後に「net start dosvc」で [Delivery Optimization] サービスを、「net start usosvc」で [Update Orchestrator] のサービスを起動します。
Windows Server 2016 の場合: 最後に「net start usosvc」で [Update Orchestrator] のサービスを起動します。
-----------------
net start bits
net start wuauserv
(net start dosvc)
(net start usosvc)
-----------------

 

e) 更新プログラム検出の確認
上記の手順を実施後、以下のコマンドを実行して、更新プログラムの検出を実施します。
または、コントロール パネルの Windows Update の UI から [更新プログラムの確認] をクリックします。
-----------------
wuauclt /detectnow
-----------------

Windows 10 / Windows Server 2016 の場合は、次のコマンドを実行してください。(Windows 10 / Windows Server 2016 では上記コマンドはお使いいただけません)
-----------------
usoclient startscan
-----------------

 

約 5 ~ 10 分ほど待ち、更新プログラムのダウンロードおよびインストールが実施できるかどうかを確認します。

 

セキュリティ的に更新プログラムが適用されないというのは気になると思いますので、この手順は知っておいたほうがいいですね。

 

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