VMware環境でよく利用される仮想マシンのスナップショット。
設定変更時や、パッチ適用時などにすごく便利だったりします。私は経験がありませんが、Linuxのパッケージアップデート後に、仮想マシンが起動しなくなったことがあり、スナップショットで救われた事がある同僚がいました。
また、以前の現場でもXenAppの構築でアプリケーションの利用可否を確認するのに、スナップショットを活用していました。
特に構築中はスナップショットは本当に便利です。
この便利なスナップショットですが、取り扱いには注意が必要です。特に、スナップショットはストレージの容量をとるだけでなく、場合によっては、仮想マシンが停止する可能性もあるのです。
例えば、ストレージのボリュームに空き容量がなくなると、そのボリューム内の仮想マシンが全停止する可能性があります。
そして、一番ひどい状態は、膨れ上がったスナップショットが削除できないケースです。
それほど差分がないシステムならいいですが、個別でデータのバックアップをしているような環境だと、スナップショットのデータ量が大きくなる場合があります。
肥大したスナップショットの削除に失敗する可能性があるので、可能な限り、スナップショットは長期保存せずに、すぐに削除する運用が望ましいです。
そして、スナップショットの個別削除が難しい場合、スナップショットの統合ができます。
>>vSphere 5.x/6.0 でのスナップショットの統合 (2079926)
以下はKBの抜粋です。
仮想マシンのスナップショットの統合
注: 操作を続行する前に、スナップショットの統合に関して次の点を考慮してください。
・スナップショットが大きい場合、スナップショットの削除プロセスが完了するまでに時間がかかることがあります。
・統合プロセスが完了前に停止すると、データが破損される可能性があります。
・スナップショットの統合処理中は、仮想マシンのパフォーマンスが低下することがあります。
ここにもありますが、スナップショットの統合は運用に影響がある可能性があるので、注意が必要です。
ちなみに、スナップショットが削除できない場合に、その対象のVMDKと差分ファイルが別ボリュームとう条件付ですが、データを失ってもよければ、一度、その仮想ディスクをOS上でアンマウントし、vCenterの操作で、仮想マシンのハードウェアの編集からVMDKを削除すれば、不要なスナップショットを削除する事ができました。
スナップショットの長期保存は仮想マシンの動作を重くする事もありますし、最悪なケースはスナップショットの削除すらできなくなる可能性があるので、スナップショットの管理には注意してください。