Office365環境でOutlookをプロキシ経由で通信させる設定について

 最近はOffice365を利用する企業が増えていると思いますが、やはり、クラウドサービスを利用するとメリット、デメリットが存在します。


まず、クラウドサービスを利用する場合、外部との通信が発生する為、インターネットのトラフィックが増大します。


さらに一番の問題になるのがoutlookです。outlookを利用する場合には注意が必要なケースがあります。


よくOffice365はプロキシを経由させないほうがいいとか、FWを経由させないほうがいいとかいう話題がありますが、プロキシを経由させてはいけないというわけではないです。


ただ、トラブルが多いので、プロキシを経由させないというケースが多いみたいです。後、FWがフィルタでIPしかかけない場合も、Office365側でアドレスが突然変更になるので、RSSで変更内容に気づく必要があります。


最近は、そういった状況を踏まえ、自動的に向き先を変更してくれるサービスを提供しているケースもあるようです。


そして、Office365を利用する場合、セッション数が大幅に増える可能性があります。特にoutlookを利用する場合は注意が必要です。

 


まず、outlookの予定表を使っているケースですが、一つの予定表が一つのセッションを持ちます。さらに、予定表のボックスにチェックを入れなくても、追加しただけでセッションを使います。つまり、10人の予定表を登録すると10セッション消費することになります。さらに、outlookはセッションを維持するようで、一般的なhttpセッションと違い、セッションを維持します。その為、プロキシからするとセッションの大量消費が発生し、他のセッションが新たに使えなくなる可能性もあります。

※古い情報で、最近はセッション数が以前よりも少なくなったようです。別途、調査します。


outlookのバージョンが古い場合は、プロキシを経由せずに直接Office365へ通信していたところが、更新プログラム、サービスパックの適用、バージョンアップなどで、プロキシを経由する通信に変更され、プロキシの負荷が一気に拡大する可能性があります。
 

その為、Office365を利用する場合に、どのメールソフトを使っているかは重要で、さらにoutlookの場合は、予定表機能は使わない設計がよいでしょう。


例えば、会議室予約や予定表管理は別のグループウェアを使うなどの工夫が必要です。また、Outlookだけでも20~30セッションを消費することもあるので、とてもじゃないですが、プロキシの利用には向いていません。


また、先ほど書いた通り、アドレスがしばしば変更されるので、IPでホワイトリストを書いていると、変更された場合に、通信ができなくなる可能性もあります。


以前、NTTコムのサイトで、Office 365は、FirewallやProxyを経由しない構成が推奨構成という記述を見つけました。これもトラブルを回避するためですが、さすがにファイアウォールを経由しないというのは難しいと思います。


プロキシについては、しっかりと知識を持ったベンダ、担当者がいないと導入時にトラブルを招く要因になりますので、ユーザー数とセッション数を考慮したサイジングにプロキシがなっているかなど確認しておいたほうがいいでしょうね。